Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 109 804 caractères · 225 écrans
二
平次は早くも事件の秘密に触れて行くのでした。
「親分、死骸の側にこんな物が落ちていたそうだが、何かの役に立ちますかえ」
懐中煙草が一つ――印伝の叺に赤銅の虻の金具を付けた、見事な品を町役人は平次に渡しました。
「これは良いものが手に入った。どこに落ちていたんだ?」
「死骸の下敷になってましたよ」
「文句はねエな。死骸の下に煙草入をねじ込むような物好きな野郎はあるめえから」
ガラッ八はまた尖った口を入れます。
その時、ドカドカと駆け付けて来たのは、豊島町一丁目の越前屋の人達です。
二
越前屋の同勢の中で頭立ったのは、これも主人の甥で金次という若者。まだ二十五六の、遊び癖の抜け切らないのを、叔父の佐兵衛に引取られて、年上の従兄吉三郎と一緒に、商売を仕込まれているといった、ちょっと好い男です。
そのほか姪のお辰といって、二十一になる美しいの、居候で浪人者の岩根源左衛門。これは名前だけは怖かない敵役のようですが、ヒョロヒョロとした青白い四十男で、剣術よりは下駄の鼻緒を直したり、障子を張ったり月代を当ったりすることのうまい人間です。あとは奉公人多勢、ただもう逆上気味で、番頭の遺骸を中に騒ぐばかり。