Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 109 804 caractères · 225 écrans
三
持出したのでしょう。
ほかに満足な槍が三筋、弓が二た張、矢が二三十本、これらはすべて、昔の豪族が、家の子郎党の手で自分の家を護った時の遺風らしく、いつでも取出せるように用意してあったのでしょう。もっとも槍はことごとく鞘をかぶせ、弓は二た張とも弦を外してあります。
二階を見ているところへ、主人の弟で豊次郎という中年者が入って来ました。腰の低い四十五六の男で、平次が望むままに、いろいろのことを説明もし、戸締りの具合なども見せてくれました。二階の戸締りも厳重以上で、豊次郎に言わせると、掃除のとき開けるだけ、それに恐ろしく巌乗な格子があって、外から入ることなどは思いも寄りません。
三
伝六の殺された部屋は、四通八達の要路で、どこからでも入れますが、武芸自慢で、恐ろしく眼ざとい伝六が、二階から槍の折れを持出して来て、胸に突立てられるのを知らずにいるとは思われず、下手人はどうして凶器を持出したか、どうして伝六に近づいたか、それがいちばん興味のある疑問です。
「灯は点いていたんだね」
「ヘエ、――有明の行灯が、今朝まで点いておりました」
豊次郎は平次のために、行灯の位置まで指してくれます。