Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 109 804 caractères · 225 écrans
悪党らしくもなく、平凡に老いさらばえて鼬の七助は涙とともに語るのでした。
それによれば、隣の倅文次郎と、自分の娘お菊との仲を薄々気が付きながら、七助の九郎助は若い二人の心持を汲んで、とがめる気にもならず、出来ることなら無事に添わして喜ぶ顔が見たい心持でいっぱいだったのです。
文次郎とお菊は、もとより継母の深い心も知らず、ただもうお嘉代の世にも稀なる吝嗇に愛想を尽かし、日頃心ひそかに怨んで、しばらく江戸から姿を隠そうと、相談しているのでした。一つは継母のお嘉代が文次郎を武士にするために、素姓の怪しい九郎助の娘などと嫁合せる気は毛頭なかったことも、若い二人を苦しめる原因の一つだったのです。
お菊の父親七助も、お嘉代の吝嗇を憎む心に燃え、内々は若い二人の相談相手にまでなっていた有様で、三日前お嘉代が刺され、三百両の大金が盗まれたと聞いたとき、ハッと思い当ったのも無理のないことでした。
まもなく俎橋の大吉が文次郎を縛ったと聴いて、なんとかして文次郎を救い出し、娘の喜ぶ顔が見たいと思い込んだのです。
その時フト自分の家の庭の植込みの中から、黄八丈の空財布を見付けました。