Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 006 caractères · 25 écrans
「…………」
八五郎もあまりの奇怪な話に口を緘んでしまいました。
「さっそく届出るつもりでいたが、そこは凡夫の浅ましさで、金を見るとついフラフラとした心持になり、五両費い、十両取り、今では半分ほども、費ってしまいました。大坂の山城屋と言ったのは全くの出鱈目、私はやはり江戸の生れで、唯の尺八の師匠竹斎に相違ございません」
「…………」
「穴蔵の中にはまだ二千両近い金が残っております。それをそっくり、親分に差上げましょう、さア」
これほどの重大事を、何の蟠りもなく言ってのけて、滝三郎は手燭を取って先に立ちました。
その後から二三歩廊下へ出た八五郎、
「…………」
後ろからそっと袖を引く者があるのです。
振り返ると小さい妹――痣のあるお雪が、泣き出しそうな顔をして、八五郎を拝んでいるではありませんか。
兄の滝三郎を助けてくれと言うのか、それとも、穴蔵へ行っては八五郎が危ないと言うのか、それは判りませんが、とにもかくにも、八五郎ほどの男も、恐ろしい予感にゾッと身内の顫えを感じないわけには行きません。
「待ってくれ師匠。――そいつは俺が貰うにしても、今すぐというわけには行かねエ。