Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
鬼の面 ――銭形平次傑作選3
野村 胡堂
Lisez 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 312 caractères · 57 écrans
三
「いや、力の弱いもののやった仕事だ、たぶん道具があったことだろうと思うが」
「何でしょう、その道具は?」
八五郎も部屋中をキョロキョロ見廻しましたが、その辺には人殺しの道具などが見付かりそうもありません。
部屋一パイの道具は、ことごとく有用無用の世帯道具で、長持もあれば箪笥もあり、葛籠もあれば長火鉢もあり、一つの床を敷く場所が精いっぱい、念のためにその長持や箪笥を動かして見ましたが、さすがに物持の長崎屋の道具だけに、何やら一パイ入って居て容易には動きそうもありません。
「八、その長持の上に差してある、棒を取ってくれ」
「これですか」
四角に削り上げて、両端に丸味をつけた、二間あまりの巨大な棒、それは言うまでもなく長持の担ぎ棒で、死骸の首の傷と睨み合せると、内儀のお町を殺した凶器は、この棒でなければなりません。
「首の疵は、間違いもなくこの棒の跡だ、内儀の仰向けに寝ている首に、この四角な棒を当てて、大の男が二人で押せば、これくらいの傷が付く」
「すると、曲者は、大の男二人で?」
「そこまではわからない」
平次は何やら深々と考えております。
三
「銭形の親分が来て居るそうじゃないか」