Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
鬼の面 ――銭形平次傑作選3
野村 胡堂
Lisez 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 312 caractères · 57 écrans
三
百までも生きたいと思うなら、出家遁世でもするが宜いとな。それがイヤなら、妾に暇をやって、一家一族の者に、身上を半分もわけてやるが宜いとな。剣難、火難、水難、女難、盗難、立ちどころに消滅するよ」
「あっしなんか、貧乏で醜男に生れついたばかりに、熨斗をつけてやると言っても、命のもらい手がねえ」
「それもこれも、親のお蔭だと思え」
平次と八五郎の無駄は際限もありませんが、佐渡屋を覆う災厄は、その間にも熟れ切っていたのです。
三
その翌る日の昼過ぎ、午刻半(午後一時)少し前でした。八五郎が駒形のあたりを見張らせて置いた下っ引が、明神下の平次の家へ、おでこに梶を取りながら、転げるようにスッ飛んで来たのです。
「親分、佐渡屋が、佐渡屋の旦那がやられましたよ」
「何? 佐渡屋の旦那が」
平次も八五郎も、事件を少し甘く見過ぎたことに気がつきました。佐渡屋の主人平左衛門が予想したように、事件はまさに最悪の状態に立ち到ったわけです。
二人はすぐさま駒形へ駈けつけました。その時は、花見船を出した家族は、たった一人も戻っておりませんでした。折から花は真っ盛り、日和は上々、向島の土手の上は人間で盛りこぼれそうで、川面は遊山船でいっぱい、小僧の一人や二人が向島へ駈け出したところで、花見船を見付けることなどは思いも寄りません。