Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 261 216 caractères · 521 écrans

Aozora Bunko

と、笠をかつぐのと目礼を一緒に、釘抜きの眼八、汗の乾くまもなく、足を急がせて、倶利伽羅坂を降りて行った。

後に残った四人、何かヒソヒソささやいていたが、やがて、目配せをしあって、柵の尽きる所から重畳した岩脈へ這い上がり、ヒラリ、ヒラリ、山牢の地域へおどり込む。

まだ七刻を過ぎたころ、黄昏には間のある時刻だが、剣山の高所、陽は遠く山間に蔭って、逆しまに射す日光が頂にのみカッと赫く、谷、峡、山のひだなどにはもう暗紫色な深い陰影がつくられている。

咲き乱れている山神の錫杖、身を隠すばかりな茅萱などの間をザクザクとかき分けて、やがて小高い瘤山の洞窟へ這い寄った四人――。

お十夜と天堂一角は、抜刀を背後へ廻して膝歩きに、ソッと、穴の両脇から、息を殺して暗い奥を覗きこむ。

スウ――と下がっていた一本の銀糸に、びっくりしたらしい蜘蛛が一匹、岩天井へ手繰り上がった。

氷室のような冷気を感じながら天堂とお十夜孫兵衛、洞窟の奥へスルスルと這い進んで行った。

「ヤ、いねえぞ」

先へ向った孫兵衛の声が、暗闇の突き当たりから、ガアーンと響いて返ってきた。

「ナニ、おらんと?」