Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 261 216 caractères · 521 écrans

Aozora Bunko

そこで安く積っても四千石や五千石の捨扶持と、笹の間詰番頭のお役付が、帰る先にはブラ下がっている。同時にお千絵様と婚礼の式をあげ、昔にまさる駿河台の墨屋敷に納まろうという寸法、それが、彼の宿望なンだ」

と、ニヤリとした。

「――しかし、以上の話だけでは、まだ胸に落ちまいから、彼という人間の姓名だけを洩らしておこう。いいかい、お千絵殿、つまり未来の良人と侍く人の名だぜ――それは、あの旅川周馬さ! おれかい! おれはやはり駿河台にいた組仲間の一人で、彼とは竹馬の悪友だ。けれど、腕こそ立たないが、悪智悪謀、すべてにかけて、周馬はおれの先輩と敬っている男なので、実は前から」

不意に、ぷツリと、言葉を切ったかと思うと、いきなりお千絵の口へ手拭を押しこんだ。

そして、ザワザワと一方の藪へ隠れるとともに、ひとつの四ツ手籠の灯が、白川橋の方角から飛んでくる。

垂れをあげて刀にもたれ、うつらうつらと駕の中の武士、編笠をうつむけて居眠っていたらしいが、そこまで来ると、駕屋の爪先に何かカラリと蹴られた音があったので眼をさまして、

「これ、駕屋」

「へい」

「ちょッと待て、駕をおろせ」