Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Lisez 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 261 216 caractères · 521 écrans
と――不意に、お綱は自身から、悲嘆や愛執や、すべての情感を切り破って出るように、
「もし! ……」
と叫んで、その人の足もとへ、ふっさりした黒髪を体ぐるみ投げ伏せた。
「弦之丞様!」
両手をついて、紙のような顔色をあげたが、目や鼻へ熱いものが胸もとからこみあげて、激情の剃刀でズタズタに切り裂かれてゆくような神経は、まとまりもなく乱れた脈を全身にうって、
「弦之丞様! もし弦之丞様! 今のおことば、ご無理ではございませぬが、お可哀そうなお人のために、どうか、江戸表へ帰って上げて下さいまし、わ、わたしも、一緒になってこの通りお願いします……、お、お千絵様をつれて、どうぞ江戸へ……」
と一念になって言ったが、自分でも何を叫んでいるのか分らない悩乱にくるまれていた。
榛の木の上に、夕月が浮いて出た。
その時。
ガサ、ガサとこっちへ寄ってきた中西与力と捕手の者は、もう約束をすぎて、夕月さえ見る刻限となったので、少し、じれだしながら、咳払いをした。
無情を公明という法縄十手は、ともすると、折や場合に仮借なく、暗い榛の木の蔭からここへ飛ぼうとする気色!
ギクッと胸に釘を打たれながら天満の万吉、前には、お綱の今の言葉に泣くまいとする程男泣きの涙がもろくこぼれるし、うしろのほうへは、人知れずハラハラと気がねをして、