Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
Lisez ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) de 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 905 caractères · 262 écrans
ところへ、雲の下から、登ってくる人間があるとしたまえ。よくぞこの清浄界を慕い求めて、しばしなりと、われわれの仲間入りをしに来たものよ――と、いとおしさに、よろこんで慶福をわかちあい、いざ共に声を合わせて、讃歌を唱わんものと待ち設けるのも、また当然ではあるまいか。それだのに、その人間ともあろう者が、ややともすると期待を裏ぎって、われらにつらくあたるのみか、せっかくの天恵さえ、蔑ろにするような振舞いに出るなどとは、一体どうしたわけか、とんと合点がゆかない……。
そんな事を思うにつけ、昨日の画かきさんが懐かしくてならぬ。珍らしもの好きの星鴉さんに聞くと、何でも彼は、中ノ岳の小屋に泊っているそうな。――もう見えるかナと今朝は早くから、岩の向うを気にかけて、心待ちする俺だった。去来する霧のひまに、時おり、宝剣岳の尾根が浮び出る。万年雪が、ほうほうと白い息をはく。雨は夜のうちにやんで、一時は青空ものぞいたのだが、やはり今日も、あまりはっきりしない、相変らずの天気模様だ。けれども画家にとっては、この方がかえって、つごうがよいのではないか。昨日の続きだろうから……。