Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

そこで静かに起きあがり、納戸から道中差を取り出した。むろん亡くなった義父の品で、久しく出したことがないから、刃には錆がでていた。彼は抜身を持って寝間へ戻り、女房を揺り起こした。眼をさました女房は、彼が抜身を持っているのに気づくと、悲鳴をあげてとび起き、唐紙や障子を突き倒しながら、勝手口から裏へ逃げだした。

「その早いことったら」と云って与平はそっと喉で笑った、「――まるで尻尾に火のついたきちがい猫、っていう案配でしたよ、ええ、私もあとから追っかけてゆきましたが、女房のやつは人殺しだ人殺しだと叫びながら、路地の木戸も押しやぶり、中通りへ走りだして、誰か来てくれ人殺しだと、喉も裂けるような声で叫び続けたものです」

近所の人たちが出て来、与平が抜身を持っているので大騒ぎになった。六尺棒や物干し竿を持ち出す者があり、番小屋へ走ってゆく者があり、女房はその人たちに護られながら、なお人殺しだと叫びたてていた。

「刀を持ってたもんですから、そのまま番小屋へ曳いてゆかれました」と与平は続けた、「女房がありもしないことを数えたて、うっちゃっとけば自分も子供たちも殺されるだろうから、夫婦別れをしたいと云い張りました、私はまだのぼせていますから、別れようがどうしようが必ずきさまを殺してやると云い返し、つまりはこのとおり、――この