Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
そんなところへ通りかかると、松田権蔵は金盥を叩くような声でどなりつけた。
「このへちま野郎ども」男の人足なら赤鬼はそうどなる、「あんまりいい気になってのさばると、野郎ども石を担がせてくれるぞ」
「このしりがるのすべたども」女たちなら赤鬼はそう云う、「おとこの匂いにのぼせあがって頬桁ばかり叩いていると、大川へ突っこんでけつを洗わせるぞ」
「さあやっておくれ」などとやり返す女もいた、「松田さんならさぞうまく洗っておくれだろう、こっちからお願いするよ」
松田の顔は赤黒くなるが、決してどなり返したりはしない。口ではかなわないことがわかっているから、彼は聞えないふりをしてそこから去るのであった。男たちの中にも、ときたま松田に突っかかるようなまねをする者がいたけれども、それは憎むとか反感を持つからではなく、好きであり親愛感があるからであった。――いちばん人当りがよく、言葉も穏やかな、人見張役の小島良二郎だけは、人足たちの殆んどから嫌われているが、他の役人と人足たちのあいだは、ふしぎなくらいしっくりしていて、役人と寄場人足という対立的なところはなく、家主と店子とでもいいたいような親しさがかよいあっていた。