Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

「これは飼いごろしだ」栄二は独りになってからそう呟いた、「おれはまっぴらだ」

おすえは五日めごとに来ていた。仕事の手が放せないのをいいことに、栄二はずっと会わなかったが、毎月一の日が休みということがわかったのだろう、八月の十一日に来たときは、また岡安喜兵衛に呼ばれたので会った。ところが、いつかの小座敷へいってみると、おすえではなくて「すみよし」のおのぶが待っていた。

「なんだ」と栄二は立ったままで云った、「おめえまでが恥をかかせに来たのか」

おのぶはめげない表情で云った、「そう云われるだろうと思ったから、今日までがまんして来なかったのよ」

「話すことはなんにもねえぜ」

「坐るぐらい坐ってもいいでしょ」とおのぶは畳をそっと叩いた、「さぶちゃんのことで話があるのよ」

栄二は気がすすまない顔つきで坐った。

「はい、これ」おのぶは紙で包んだなにかの折を差出した、「つまらない物だけれど、あたしのお土産よ」

九の三

栄二はわれ知らず微笑した。相変らず歯切れのいい口ぶりだし、自分の手で出しながら「あたしの土産」とはっきり云うところなど、いかにもおのぶらしかったからである。