Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

さぶが戻って来て、おずおずと坐っても、栄二は眼をつむったままでいた。

「その」とさぶが云った、「――足のぐあいはどうなんだね、栄ちゃん」

「跛になるそうだ」

「まさか」とさぶは息を引いた、「まさかそんな、跛になるなんて」

「だてなもんだそうだぜ」と云ってから、栄二は自分を抑え、眼をあいて微笑した、「――まだそうときまったわけじゃあねえが、跛になるかもしれねえっていう、医者のみたてなんだ」

さぶは口をあいたまま、なにも云わずに栄二の顔を見まもった。

「驚くこたあねえさ、その代り命びろいをしたんだから」と栄二は云った、「おまけにこっちは居職だ、ちっとばかり跛になったって、しょうばいにゃあ差支えはねえからな」

さぶは急に頭を垂れ、右手で眼を押えたとみると、声を忍んでむせびあげた。

「ひでえ」とさぶは嗚咽しながら云った、「そりゃあひどすぎるぜ」

「その代り命びろいをしたと云ったろう」

「それにしたって、栄ちゃんが跛になるなんて、そんなことがあっていいだろうか」

「よせ、人に聞えるぜ」栄二が低い声で制止した、「――とにかく死なずに済んだんだ、跛になるとはっきりきまったわけじゃあねえ、いまはそんなことを忘れて、おめえのことを聞かしてくれ、え、おめえまだ葛西にいるのか、そうじゃあないのか、どっちなんだ」