Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
杖を渡しながら清七が云った、「長かったら切ればいいと思ってね、そう、そこを腋の下へ当てるんだ」
「立っちゃだめだよ」と与平が注意した。
「おれもどこかで見たことがある」栄二は上り端に坐って両足をそろそろと土間へおろし、杖を持ち変えて横木のところを腋の下へ当ててみた、「――よさそうだな、しっかりしている、なんの木だろう」
「桜なんだよ」と清七が答えた、「いろいろ当ってみたんだが、撓うのも困るし重くっても困るし、それで彫物部屋の伊助さんに相談したんだ、あの人は木をいろいろ知ってるだろうと思ってさ、そうしたら桜がいいだろうって云うもんだから」
「みんなに心配かけちまうな」
「すぐに使わなくてもいいようになるだろうがね」と云って清七は意味もなく片手を振った、「そうだとしても、はじめのうちはいるかもしれねえと思ったんでね」
「さあ、もういい」与平が手を出した、「使うようになるまで私が預かっとくよ」
栄二は杖を与平に渡した。
「じゃあ」と清七はあとじさった、「おら仕事の途中だから」
栄二がもういちど礼を云い、清七は帰っていった。与平が撞木杖を持ってゆき、自分の戸納の中へしまい込むのを眺めながら、栄二は息を静かに長く吸い、それを用心ぶかく吐きだした。