Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

なにを話したいかは自分でもわからないが、とにかく話さないうちはおちつけないような気持であった。

「いいじゃないか、いってきなよ」さぶは白くなった手で袋を揉みながら云った、「おれのことは構わなくってもいいよ」

「ばか云え、一人でなんかいけるかい、おめえが仕事をするんならおれだってすらあ」と栄二は云った、「綿文で襖の尺を取って来たんだから、紙を揃えにかかったっていいんだ、おめえもこんなところでなく、仕事場へはいってやったらどうだ」

「おらあここがいいんだ」さぶは喉の詰ったような声で云った、「うっちゃっといてくれ」

そして急に、両手を桶の中へ突いて前跼みになり、声をころして泣きはじめた。

「いったいどうしたんだ、さぶ」と栄二が跼みこんで云った、「おれにも話せねえのか」

「独りにしてくれ」と咽びながらさぶは顔をそむけた、「ほんとになんでもねえんだ、頼むからおれを放っといてくれ」

「ほんとにそれでいいのか」

さぶは大きく頷いた。ずんぐりした躯を前跼みにした恰好や、まるっこい頭でこくっと頷いたようすは、いかにも愚直で子供っぽく、栄二は心の中で可哀そうなやつだな、と思った。