Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

松田権蔵の両手が拳になり、その拳がぶるぶるとふるえた。栄二は悲しさで胸がいっぱいになった。そっくりそのままだ、おれもこんなふうに赤鬼を怒らせたことがある。松田が親しく近づこうとしたのを、冷淡に、容赦もなく突っ放した。あのとき松田はおれを殴りたかったろう、いまのように怒りで全身をふるわせていたが、「うせやがれ」と云っただけでその怒りを抑えつけた。どんなに憎らしく、癪に障ったことだろう、おれはいやな野郎だった、と栄二は思った。

「それを知っているなら」と松田権蔵がくいしばった歯のあいだから云った、「この寄場の規則も忘れやあしないだろう、その花札をこっちへよこせ」

「どうするんです」義一はにっと歯を見せて笑った、「賭場を開くんなら、あっしが札を配りますぜ」

「ここでは博奕は御禁制だ、花札一枚でも許すことはならねえ、こっちへよこせ」

「これはあっしが、身銭を払って買ったもんですぜ」

「こっちへよこせ」と松田が叫んだ。

十二の三

義一はへらへらと笑った。花札をこっちへよこせと叫んだとき、松田権蔵の怒りは頂点に達していたようだ。それを聞いた栄二は、自分がどなりつけられたように思い、恥ずかしさで身がすくんだ。