Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

おすえが歯の音をさせて息を吸った。

「するとその男」と栄二がきいた、「たしか徳とかいったが、まだ諦めないんだな」

「根比べ、ってところね、あたしは負けやしないから」そう云っておのぶは包んだ紅絹の切を解き、剃刀を右の手に持ち直した、「――あの人は酔わなければなんにもできないの、酔って絡み始めたら、これを喉へこう当ててみせるのよ、さあ手出しをしてごらんなさい、あんたになにかされるくらいなら、自分で死んでみせるからって」

「あぶないからしまえよ」と栄二は剃刀を指さした、「そんなことで、いつまでも押しとおせると思うのかい」

おのぶは剃刀を切で巻き、左の袂へしまいながら云った、「あたしがこのうちから逃げてみても、あの男の手から逃げきることはできやしないわ、姉さんたちが女衒の六から逃げきれなかったようにね、――逃げるのはそれだけで負けたのと同じことよ、あたしは負けやしないから」

「強いのねえ」とおすえが嘆息するように云った。

「ありがと」おのぶは微笑した、「あんたには栄さんがいるからいいわ、おすえちゃんはあたしのような女にならないでね」

「のぶ公も持てよ」と栄二が徳利を持ちながら云った、「一つだけ酌をしよう」