Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
「なぜそれを渡さなかったんだ」暗い堀端を小舟町のほうへ歩きながら栄二が云った、「のぶ公はその包みを見ていたぜ」
さぶは堀の角で急に立停った。
「おら、酔っちまったらしい」さぶはちょっとよろよろしたが、そこへしゃがみこんでしまった、「――今夜は栄ちゃんに話があったんだよ」
「こんな堀っ端でどうするんだ、風邪をひいちまうぜ」
「和助あにいは店を持った」とさぶは口ごもりながら云った、「栄ちゃんもそのうちに店を持つだろう、けれどもおれはだめだ」
「そんな話は帰ってからにしろよ」
「おら、思うんだが」さぶの声はみじめに弱よわしかった、「どうせゆく先に望みがねえんなら、いっそいまのうちに、職を変えるほうがいいんじゃねえだろうか」
「ばかなことを云うな、おめえほど糊の仕込み上手な者はほかにいやあしねえ、親方がいつもそう云ってるのは自分でも聞いて知ってるじゃねえか」
さぶはちょっと黙っていてから云った、「――栄ちゃんはいつか、糊の仕込みで日本一になれば、それで立派な職人だと云ってくれた、そのとおりだろう、その場かぎりの慰めじゃあねえだろうが、糊作りだけじゃあ自分の店は持てやしねえ、よくいって一生涯、芳古堂の飼いごろしじゃあねえか」