Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
手間賃の安いのをいとわず、注文があればどんな仕事でもしたし、注文のないときには長屋用のからかみを作って、売物に出したりしたが、それでも八月にはいると、持っていた僅かな貯えさえ底をついてしまった。
「こんなことを云うと人でなしのようだけれど」と或るときさぶが呟いた、「大きな火事でもあってくれたら、少しは息がつけるんだがな」
「大火事があるとすれば」と栄二が云った、「まっ先にこのうちが焼けるだろう、運不運というのはそんなものさ、おかしなことを考えるより、糊の仕込みを大事にしてくれよ」
おすえはよくやっていた。初めから新世帯などという色めいた、華やかな気分はまるでなかった。家事の手があけばすぐに仕事場へ出て、小まめに栄二の手助けをした。綿文のあとで奉公にいった先も、日本橋通り二丁目の大きな商家で、やはり上女中をしていたというから、手爪先もきれいにほっそりしていたが、その手もたちまち荒れ、節ぶしも高くなるばかりであった。五十日あまりは新妻らしく結っていた髪も、髪結い賃と暇が惜しいため、いつか束ね髪で済ますようになり、もちろん紅白粉などつけることもなくなっていった。