Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

「わかりました」とおすえは頷いた。

「この五両だが」と栄二は包みを開いて金を出した、「江ノ島までの往き帰りを駕籠にするから、二枚はおれが持っていく、一両でも余ると思うが、いそぐ旅だから用心のためだ、あとの三枚はさぶに渡して、大和屋へ内金に入れとくように云ってくれ、――って云うのはつまり、済まないがこの金は、おまえの手には一文もやれないんだ」

「見せましょうか」にっと笑って立ちあがったおすえは、箪笥の小物入れから財布を出して来、中のものを膝の上へ振り落した、「――かぞえてちょうだい、二分一朱とちょっとあります、あたしのことは大丈夫よ」

栄二はおすえの膝の上をじっと見ていて、それから肩の荷でもおろしたように、躯の力をぬきながら長い溜息をついた。

「まだ寝るには早いな」栄二は喉になにかつかえたような声で云った、「――刷毛でもしらべておこうか」

十六の一

旅立っていった栄二は、三日めの夕方に帰って来た。いかにも飛脚旅をしたあとのようで、それとわかるほど疲れがみえていたけれども、気持は張りきっているらしく、旅装を解きながらも活溌に話しやまなかった。

「おすえ、おめえもいっしょにいくんだ」