Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
「あたし帰れないんです」嗚咽のあいだからおすえが云った、「本町のお店から暇を取って来ちゃったんです」
栄二はおすえがなにを云ったのか、すぐには理解できなかった、「――暇を取ったって、どうして」
「栄さんが一人で」おすえは吃りながら云い直した、「栄さんを一人にしておいてはいけないと思ったからです」
「おすえちゃんは知らないんだ」
「あたし知ってます」
おのぶが灯を入れた行燈を持って来た。
「こんなところに立ってないでおあがんなさいな、いますぐに火も持って来るわ」おのぶはそう云っておすえを促した、「さあ、おあがんなさいってば、寒いわよそんなところに立ってちゃあ」
おすえは栄二の顔色をうかがいながら、そっと小座敷へあがり、隅のほうに坐った。おのぶは火を取りにいこうとして、酒を飲むかときいたが、栄二は黙って頭を横に振った。
「おすえちゃんの知っているというのは、金襴のことか」
おすえはそっと頷いた。
「おれの云うのはそのことじゃないんだ」と栄二は掻巻を躯へひきよせながら云った、「金襴の切がおれの道具袋にはいっていたのはなにかの間違いだ、間違いでないとすれば、誰かが、なにかわけがあって、おれに罪をきせようとしたんだ、どっちにしろそれは、いつかわからずにはいないことだ」