Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

、思い切ってお店から暇を取ったの」

「だめだ」栄二は首を振った、「おれにはそんな値打ちはありゃあしねえ、詫びを入れて綿文へ帰るほうがいい」

「あたし栄さんからはなれないわ」、おすえは膝をすすめた、「女の口からこんなこと云うのは恥ずかしいけれど、あたしもうずっとまえから思いこんでいたのよ、どんな苦労をしてもいいから栄さんに貰ってもらおうって、そうしたらさぶさんから、あなたがあたしのことをどう思っているか、っていうことを聞いたの、あたしうれしかったわ」

おすえはまた、袂で顔を掩って咽びあげた。

「さぶのやつが」と栄二は呟いた、「――さぶのやつが」

「ねえ」とおすえがとぎれとぎれなふるえ声で云った、「あたしのうちへいきましょう、あなたはもういちにんまえの職人よ、芳古堂の名がなくったって、自分の腕ひとつで立派にやってゆけるわ、ねえお願い、あたしの云うことをきいてちょうだい、このとおりよ」

おすえは合掌してみせた。栄二が慌てて、よしてくれと手を振ったとき、土間で低い咳が聞え、ごめんよというさぶの声がした。おすえは眼を拭きながらいずまいを直し、栄二は腕組みをした。

「あけてもいいかい」