Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
へちまのき
へちまの木
山本 周五郎
Lisez へちまの木 (へちまのき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 120 caractères · 58 écrans
「あっしをお呼びですか」
「ああ、おまえさんかい、この店の旦那で板前さんてえのは」
「ええ、あっしがこの店のあるじで板前をしています」
「じゃあこの刺身をたべてみてくれ」
「なにかお気に入りませんか」
「たべてみろよ」と男は刺身皿を押しやった、「おめえも庖丁を握るしょうばいなら、庖丁をどう使うかぐらいは知ってるだろう、まあたべてみろよ、かなっ臭えから」
旦那はどきっとしたようであった。男は右の肱を飯台に突き、頬杖をしながら、そのよく動く眼をぎろりと光らせた。
「おまえさんは研いだまんまの庖丁を使った」と男はねっちりした口ぶりで云った、「研いだ庖丁は水で晒しあげてから使うものだろう、水で晒さずに使えばかなっけが付く、そのくれえなことを知らねえ筈はねえと思うんだが、どうだい」
「相済みません、親方」あるじは片襷を外しておじぎをした、「人手がねえもんで、ついぞろっぺえなことを致しまして」
「ちょっと待った」と男は遮って云った、「人手がなくって客にかなっ臭え刺身を食わせるくれえなら、店を閉めたらどうだ」
おいでなすったな、と房二郎は思った。
「おらあな、馬喰町の文華堂っていう瓦版屋の、木内桜谷ってえ者だ」