Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
へちまのき
へちまの木
山本 周五郎
Lisez へちまの木 (へちまのき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 120 caractères · 58 écrans
と房二郎が云った、「なんだか悲しくなってきちゃった」
「出よう」と木内が云った、「勘定をしてくれ」
「勘定はこっちだ」と房二郎が云った。
「だめだよう」女は木内を押し倒した、「あたしをくどいといて、なにさ」と女は木内の上に馬乗りになった、「今夜は寝かさないからね、帰るなんてったって帰しやしないよ」
そして女は、木内の頬に吸いついた。
――かなしいな、生きるということはこんなにかなしいものなんだな。
その店を出て、あるきながら房二郎はそう思った。女は木内を心から好いているようではなかった。けれども、しがみついたり、抱き緊めたり、頬に吸いついたりするしぐさには、単にしょうばいだけでないなにかがあった。
――迷子だな、あの女も迷子だ、なにか自分の生きるすべを捜している、迷子だ。
房二郎は声をあげて泣きたいような衝動にかられた。
「あのちょび髭の、ぼけなす野郎」と木内が云った、「ぶち殺してやればよかった」
「木内さんは充分にやったよ」と房二郎は云った、「あんな人間は、一寸刻みにしたって痛いとは思やあしねえ、あれで充分だ、あれ以上やればこっちの手に繩がかかるだけで、相手はへとも思やあしねえさ」