Classiques japonais avec furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 241 861 caractères · 480 écrans
それを、一同の前へ、膝から三尺ほどのところへ、一つずつ置いた。
二十年めの日光御修理の役をきめるには、こうして将軍のまえで、ふしぎな籤をひいたものである。
さて、一同の前に一つずつ、水をたたえたギヤマンの鉢が配られると、裃すがたの愚楽老人が、ちょこちょこ出てきた。子供のようなからだに、しかつめらしいかみしもを着ているのだから、ふだんなら噴飯すものがあるかも知れないがいまは、それどころではない。
みな呼吸をつめて、愚楽を見つめている。
老人、手に桶をさげている。桶の中には、それはまた、なんと! 金魚がいっぱい詰まっていて、柄杓がそえてあるのだ。
生きた金魚……真紅の鱗をピチピチ躍らせて。
金魚籤が、はじまった。
愚楽老人は、一匹ずつ柄杓で、手桶の金魚をすくい出しては、はしから順々に、大名達の前に置いてあるギヤマン鉢へ、入れてゆくのだ。
ごっちゃに押しこめられた桶から、急に、鉢の清水へ放されて、金魚はうれしげに、尾ひれを伸ばして泳いでいる。
ふしぎな儀式かなんぞのよう――一同は、眼を見ひらいて、順に金魚を入れてゆく老人の手もとに、視線を凝らしている。