Classiques japonais avec furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 241 861 caractères · 480 écrans
だけどねえ、これからどうして探したらいいだろう」
ういういしい女房のように、土間の竈の下を焚きつけていたお藤が、姐さん被りの下から、
「くよくよすることはないやね。丹下の殿様がいらっしゃるんじゃアないか。およばずながらこのお藤もお力添えをして、三人でさがしまわれば、広いようでもせまいのが江戸、どこからどう糸口がつかないものでもないよ」
左膳を仮りの父と呼んでいるチョビ安は、ここにまたお藤というものが現われて、まるで母親を得たような喜びよう。
「ねえ、父上、あたい、この人をお母アといってもいいだろう?」
左膳の苦笑とともに、お藤の顔には、彼女らしくもない紅葉が散って、
「ああ、そうとも、丹下の殿様がお前の父なら、あたしはおふくろでいいじゃないか」
チラと左膳を見ると、左膳、いやな顔をしてだまっている。
豪刀濡れ燕も、この、からみついてくる大姐御の恋慕心は、はらいのけることができないとみえる。
妙な生活がつづいている……すると、朝っぱらから出ていったお藤が、何か風呂敷包みをかかえて帰ってきた。左膳は毎日、ごろっと横になっているだけだが、その時チョビ安、左膳の背後にまわって、肩をたたいていました。