Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 241 861 caractères · 480 écrans
「お、お前達はあっちへ行って食え」
谷大八が、懸命のいろを浮かべて、
「ですが、殿お一人をここへお残し申して――」
この言葉に、伊賀の暴れン坊、ムッとしたらしく、
「ヨ、ヨ、余一人を残していっては、不安だというのか。何を馬鹿なことを、ダ、第一、ひとりになるのではない。コ、これを見よ」
源三郎、膝わきに引きつけた大刀の柄をたたいて、闊然とわらった。
「心配するでない。客は、主人側のいうとおりになるのが、礼である。玄心斎と大八は、別室へしりぞいて、心おきなく馳走にあずかるがよい」
顔を見あわせたのは、大八と玄心斎です。なかなか、心おきなく……どころの騒ぎではない。敵の巣の真ッただなかにすわりこんで、平気で家来を遠ざけようというんですから、この若殿という人間は、危険ということをすこしも感じない、いわばまア一種の白痴じゃないかしら?――長年お側に仕えてきた二人ですが、この時は、そんな気までして、中腰のまま決し兼ねていると、
「あっちへ行って食えと申すに! なぜ行かぬ」
いらいらした主君の声だ。源三郎の気性は、知りぬいている。もうこうなったら、いくら押しかえしたところで、許されません。