Classiques japonais avec furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 241 861 caractères · 480 écrans
血みどろの死骸を見おろした伊賀の若様、ちょっと歩をとめて、
「身がわりか」
と言った。ふところの手を襟元からのぞかせて、顎をなでながら、いささか憮然たる面もち。
と、血のとんでいる畳に、白足袋の爪立ち、さっと部屋を出ていった。
「源様、どうぞこちらへ。ちょっとお話し申しあげたいことが……」
お蓮さまは、あわてて後を追う。前髪立ちの少年が、手燭をかかげて急いでつづけば、あおりをくらった灯はゆらゆらとゆらいで、壁の人影が大きくもつれる。
バタバタと三人の跫音が、廊下を遠ざかって行きます。
あとに残された一同、あんまりいい気もちはいたしません。
「なんだ、馬鹿にしておるではござらぬか。殺すはずのやつを助けて、アノ源さま、どうぞこちらへ――か。畜生ッ!」
「おのおの方はお気がつかれたかどうかしらぬが、お蓮の方は眼をトロンとさせて、彼奴を眺めておられたぞ。チエッ、わしゃつらいテ」
なんかとガヤガヤやっている時、お蓮さまは、悠然たる源三郎の手を持ち添えぬばかりに、やがて案内してきたのは、細い渡廊をへだてた奥庭の離庵です。
雲のどこかに月があるのか、この茶庭の敷き松葉を、一本一本照らしだしている。