Classiques japonais avec furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 340 187 caractères · 666 écrans
だ。
これ、与吉、この徳利へ酒をつめて参れ。
これ、与吉、ついでに金をたてかえておけ。
これ、与吉、坂道でくたびれたから背後から押してくれ。コレ与吉、コレ与吉と、泰軒先生さかんに与の公を使いたてる。与の公もいま先生を怒らしちゃア厄介だと思うから何ごともヘイコラこれ命に従っているうちに。
大田原――大田原飛騨守城下。一万一千四百石。
白河の関――阿部播磨守城下。十万石。
二本松――丹羽左京太夫殿。十万七百石。
このところ江戸より六十六里なり。
……で、これからあと四つの宿場で福島へ着くという、その二本松の町へはいったのが、江戸を発足してから八日目の夕ぐれだった。
両側に並ぶ宿屋を物色しながらふと気がつくと、今までそばを歩いていた泰軒先生の姿が見えない!
つづみの与吉、しめたッ! とばかりにいきなり眼の前の柳屋と行燈をあげたはたごへ飛びこんだ。
「いらっしゃいまし――お早いお着きでございます」
二、三人の婢が黄色い声を合わせる。
二本松の町。
諸国旅人宿、やなぎ屋のおもて二階。
いま洗足をとってあがって来たつづみの与吉、うす暗い一間へ通されてのっけからケチをつけてかかる。