Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 340 187 caractères · 666 écrans
手裏剣を磨く手も休めもせずに豆太郎が注意した。
「伊織さん、呼んでるぜ、大将が」
弥生はうなずいて家内へはいった。
奥の書院へ通る。
何一つ家具らしいもののない八畳の部屋、水のような暮色がしずかに隅々からはいよるその中央に褪せた緋もうせんを敷いて一人の翁が端座している。
銀糸を束ねた白髪、飛瀑を見るごとき白髯、茶紋付に紺無地甲斐絹の袖なしを重ねて、色光沢のいい長い顔をまっすぐに、両手を膝にきちんとすわっているところ、これで赤いちゃんちゃんこでも羽織れば、老いて愚に返った喜の字の祝いのようで、まるで置き物かなんぞのように至極穏当な好々爺としか見えない。
さて、何者にせよ、火事装束の四闘士と十人の荒らくれ男をピッタリおさえて、自ら先に乾坤の刀争裡に馳駆するだけあって、その眼は鷲のような鋭光を放ち、固く結んだ口もと、肉おきの凝りしまった肩から腕の外見、一瞥してこの老士とうてい尋常の翁ではないことを語っている。
松の古木のような、さびきったその身辺に、夕ぐれとはいえ、何やらうそ寒いものが漂っているのを感得して、
「は、お呼びでございましたか」
と入って来た弥生は、思わずぶるッと小さく身ぶるいをしながら黙りこくっている老翁のまえへ、いざりよって座を占めた。