Classiques japonais avec furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 340 187 caractères · 666 écrans
船には、さっき月輪の三人が、弥生と乾坤二刀を積みこんで待っていたのだ。
さては! 海路をとって相馬中村へ逃げる気とみえる! と栄三郎と泰軒が船をにらんで地団駄をふんだとき。
スウッと背後に影のように立った、またもや覆面の士!
ふたりには頓着なく、
「これへ!」
とさし招くと、艪の音も勇ましく船べりを寄せてきた一隻の大伝馬がある。
「乗られい!」
侍がいった。
その声に、泰軒はおぼえがあるらしく、
「オ! 貴公は大……!」
いいかけると、侍が手を振った。だまって船を指さしている。
「わかった! すべて、貴公の胆いり――かくまで手配がとどいていたのか。ありがたい! さすが南の……オッと……何にもいわぬ! これだッ!」
と泰軒、手を合わせて件の侍を拝むと、侍は頭巾の裏で莞爾としているものとみえて、しきりにうなずきながら、早く乗り移れ! と手真似をする。そして!
「前々から彼奴ら一派の動静は細大洩らさず探ってあって、きょうの手はずもとうにできておった。それからナ彼奴にはもう何人の呼吸もかかっておらぬぞ。よいか、外桜田に相馬の上屋敷がある。そこの江戸家老を呼んでいささかおどかしたのじゃ。