Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans
ひどく足が悪いらしく廊下の上でも、ステッキを離さない。
びっこで、鼻くたの、薄気味悪いお客さまだ。しかし、仕立卸しの合トンビを初め、服装が仲々立派なので、少々片輪者でも、宿の者は鄭重に取扱った。
階下の一室へ通されると、彼は何よりも先に、何度も聞き返さなければならない、不明瞭な言葉で、こんなことをたずねた。
「姉さん、ここに柳倭文子という美しい女が泊っているかね」
お泊りですと、正直に答えると、その部屋はどこだとか、男友達の三谷青年とは、どんな風にしているかとか、フガフガと根掘り葉掘りたずねた上、倭文子達に、わしがこんなことをたずねたといってはいけない。口止料だ、と十円紙幣を抛り出した。
「あれ何でしょう。気味が悪いわ」
老人の食事が済んで、お膳をさげて来た女中が、廊下の隅で、別の女中を捕えて、ヒソヒソ囁いた。
「あの人、幾つ位だと思って!」
「そうね、勿論六十上だわ」
「イイエ、それが本当は、ずっと若いらしいのよ」
「だって、あんな真白な頭をしているじゃないの?」
「エエ、だから、猶更おかしいのよ。あの白髪だって、本当に自分の髪だかどうだか。それから色眼鏡で目を隠しているでしょう。