Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

「ごらんなさい。何にもいやしない。僕等は余り神経を使い過ぎているのですよ」

いわれて倭文子は、青年の肩越しに、ソッと首を伸ばして、窓の外を眺めた。

すぐ目の下を、鹿股川の青黒い水が流れている。そこは丁度淵になった個所で、たださえ深い上に、雨降り続きの増水、しかも、夕暮れの深い谷間、その底を流れる川は、いとど物凄く見えるのだ。

と、その時、三谷青年は、彼のお尻にピッタリくっついていた倭文子の肌が、突然、ギクンと痙攣するのを感じた。

「あれ! あれ!」

彼女が凝視して叫び続ける川岸を見ると、今度こそ、いかな三谷青年も「アッ」と声を立てないではいられなかった。

最早夢でも幻でもない。最も現実的な、棄ては置けぬ大椿事だ。

「水死人だ。怖がることはありません。助かる見込みがあるかどうか、見て来ますから、待っていらっしゃい」

脱衣場で、手早く着物を着て、廊下から現場へ飛び出すと、倭文子も彼のあとから、伊達巻一つで従って来た。

「アア、迚も駄目だ。飛込んだのは今日じゃありませんよ」

如何にも、水死人は、まるで角力取りみたいに、醜くふくれ上っていた。顔は下を向いているので分らぬけれど、服装の様子では湯治客らしい。