Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

「アラ、この着物、見覚がありますわ。あなたもきっと……」

倭文子は激情に声を震わせて、妙なことを口走った。

土左衛門は、細い銘仙絣の単物を身につけていた。その絣に見覚がある。

「まさかそんなことが」

と我が目を疑いながら、併し、三谷はその水死人の顔を確めるまでは安心が出来なかった。彼は水際まで降りて行って、岸に漂いついている死体を、怖々足でグッと押して見た。

すると、死体は、戸板返しの様に、クルッと廻転して、上向きになった。まだ生きているのではないかと、ゾッとした程、軽々と向きを換た。

倭文子は遠くへ逃げて、水死人の顔を見る勇気はなかった。三谷は見るには見たけれど、余りのことに胸が悪くなって、長く眺めていることは出来なかった。

死体の顔は、ブクブクとふくれ上り、まるで相好が変っていたし、その上、岩角に当ってすり向けたのか、ほとんど顔全体が、グチャグチャにくずれて、二目とは見られぬ不気味さであった。

三谷と倭文子が、宿の者を呼びに走ったのは申すまでもない。それから起った、土左衛門騒ぎの詳細を記す必要はない。警察は勿論裁判所からも人が来た。騒ぎは鹽の湯ばかりでなく、鹽原全体に拡がり、二三日というもの、よると触るとその噂であった。