Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なつむしあんどん

夏虫行燈

吉川 英治

Lisez 夏虫行燈 (なつむしあんどん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 200 caractères · 37 écrans

Aozora Bunko

――でも、油断のない男とみえて、服部太蔵がふと、

『おい、馬之助、馬之助』

と、連れの菅馬之助の耳を引っ張った。

ううむ……と寝呆け声を出して、何か、云いかける口を、叱っ、と抑えて、

『おかしいぞ。――おいっ、眼をさませよ。何か、庫裡の戸があいて、人声がするようだ』

と、囁いた。

漸く、菅馬之助も、首を擡げて、

『人声が? ……何処に』

『もう聞えなくなったが』

『耳のせいだろう』

『風の音にも、心を措くという奴だな』

『金儲けとなれば仕方がない』

『明日は立とうぞ。足もとの明るいうちに』

『だが、あれだけ持っていた所で、路銀がなくっちゃあ』

『今夜は、事が決まると云っていたから、明日はお見えになって、路銀もくださるだろう』

『……おやっ?』

『……?』

二人とも、喉に、唾を溜めた。みしりっと、廊下のきしみが、梁に伝わって、何か神経を尖らせられたからである。

――と。障子のすぐ外であった。

『馬之助。太蔵。路銀をやろう、顔を貸せ』

『――げっ?』

刎ね起きて、あわてて、大刀を抱えこみながら、

『だ、だれだっ』

『この辺の遊び人だ。顔を貸してもらいてえ』

遊び人と聞いたので、頭から呑んで、