Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なつむしあんどん

夏虫行燈

吉川 英治

Lisez 夏虫行燈 (なつむしあんどん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 200 caractères · 37 écrans

Aozora Bunko

灯皿の罪

一

と、怪しく昂ぶった声を顫わせて、

『……では、甚三郎の御家内、お小夜どの、倖せに送るがよい。――又、お小夜どのの良人甚三郎へも云おう。どうか末長く、可愛がってやるがいい。生憎とおてまえは才子肌だ、男にすら、今度のように鼻毛を抜かれる。まして女には、長いうちに何うあろうか。こんな女房を持って、浮気をしては罪だぞ。その時は、平四郎がゆるさんぞ。――』

と、ぬっくと起ち上ったかと思うと、

『では、おさらば』

と、二人を捨てて、右の廻廊の方へ、ずかずか歩き出して行った。

灯皿の罪

一

何やら、謎めいた言葉に、お小夜も、甚三郎もやや呆っ気にとられていたが、平四郎が逃げる気と勘づいたので、はっとしながら、

『――待てっ、御番城の宝物を掠めて、その儘、巧みに逃げようとて、そうはさせぬ』

と、甚三郎は、大きく呶鳴りながら、廻廊の上へ、刎ね上って、背後から抜打に斬りつけた。

ばっ――と、刃風を顔の前へ交して、

『云い残した』

と、平四郎は、彼の小手先を、ぐいと掴んだ。

『お小夜どの』

と、次に、突いて蒐ろうとしている血相へ振向いて、

『紛失した歌仙本は、確かに、この寺の奥の客間にある筈。