Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

よあけのつじ

夜明けの辻

山本 周五郎

Lisez 夜明けの辻 (よあけのつじ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 801 caractères · 86 écrans

Aozora Bunko

彼等が武家屋敷の辻を曲って、街道口のほうへ去ったとき、それと行違いに、功刀伊兵衛が辻を曲って来た。

そして津田家の玄関へ入って国老に面会を申入れた。

しかし面会は断られた。

「御家老にはただいま御多用で、お会い申す暇がないと申されます」

「しかし手前の用向も同様、今日鬼鉾山で討果された江戸詰家中の者の処置について、ぜひともお訊ね申したいことがあるのです。いまいちおうお取次ぎください」

「他ならぬこなたさまのことゆえ、お会いできるものならお断りはなさいますまい、今日はお帰りを願います」

「……ではひと言、伺っておきたいが」

伊兵衛は家扶の眼を見すえるようにしながら云った。

「山県大弐どのは御当家にまだ御滞在ですか」

「さあ……それは」

「もう御出立ですか」

家扶は伊兵衛の視線から眼を外らした。

「まだ……さよう、まだ御滞在かと思いますが、あるいは御出立になったかも知れません。わたくし用事にとり紛れて、そのほうのことは存じませぬが」

「……ではいたしかたがない」

伊兵衛はもういちど家扶の眼をみつめてから、会釈をして外へ出た。

しかし門を出て、長屋塀について三十歩あまり行ったとき、津田邸の裏に当って、すさまじい人の叫声と、物の引裂ける音が起ったのを彼は聞いた。