Classiques japonais avec furigana
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よあけのつじ
夜明けの辻
山本 周五郎
Lisez 夜明けの辻 (よあけのつじ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 801 caractères · 86 écrans
その主家が、幕府とともに大逆の軍を催したとして、あなたは即座に京へはせのぼることができますか」
伊兵衛は言句に詰った。
「功刀どの?」
大弐は静かに、微笑さえ含んで続けた。
「これはむずかしい論ではない。日本の国民として、あまりに分りきった話です……しかし、あなたはすぐに答えることができない、なぜ答えられないのかお分りですか。つまりあなたも、分りきったことが見えなくなっているからです」
そのとき階下から、なにか罵り交わす人声が大きく聞えてきた……そして、それに続いてばたばたと、家の中へ踏込んで来る跫音が、廊下から階段へと近づいて来た。
「……先生」
部屋の隅にいた東寿が、そっと小剣を引寄せながら片膝を立てた……伊兵衛は即座に立上って、
「拙者が見てまいりましょう」
と出て行った……大剣を左手に、階段を下りるとばったり出会ったのは紙屋十郎兵衛だった。後に四五人、家中の者がいた。
「おお功刀、無事だったか」
「紙屋か、これはなんの騒ぎだ!」
「貴公がどうしたかと思って追って来たんだ。どうしたあいつは、大弐は斬ったか」
「その話は後でする。まあこっちへ来い」
「斬らんのだな、二階にいるのか」