Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

よあけのつじ

夜明けの辻

山本 周五郎

Lisez 夜明けの辻 (よあけのつじ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 801 caractères · 86 écrans

Aozora Bunko

山県どのを斬るまえにおれの云うことを聞け」

「無用だ。すでに変心した貴公の言葉など聞く要はない。通せ功刀!」

「通さぬ……東寿どの」

伊兵衛は振返って、階上へ叫んだ。

「先生を伴れてお立退きなさい。ここは拙者が引受けます」

「うぬ裏切り者が!」

十郎兵衛が喚きざま抜討ちをかけた。それより疾く伊兵衛は身を翻して階段の半ばまで跳退いていた。十郎兵衛は、頭上へ打下される太刀を避けようともせず、そのまま足を踏み鳴らして階段を駈け登る。

「功刀は拙者がもらう。大弐を逃すな」

と叫んで詰寄った。

声に応じて、後にいた三人が、裏手へとびだして行くのを見ながら、伊兵衛は大弐主従のいた部屋の前まで退って来た。

「山県どの、東寿どの」

声を掛けたが返事がなかった。

――逃げてくれた。

と思う、そのはなへ、十郎兵衛が絶叫とともに斬込んだ。しかし大剣は空を截って障子を裂き、伊兵衛は裏梯子のほうへ走っていた。

――大弐どのを落さなくてはならぬ。しかし彼等を傷つけることはできない。

「待て、功刀!」

という声を背に、伊兵衛は裏梯子を滑り下りると、逃げ惑う宿の人々のあいだをぬけて、裏手へとびだした。