Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
よあけのつじ
夜明けの辻
山本 周五郎
Lisez 夜明けの辻 (よあけのつじ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 801 caractères · 86 écrans
貴公が我々の拒絶を楯に母御を説いて、それでもならぬと云われたらどうするのだ……来栖、だがおれの訊きたいのはそんなことではない」
「……?」
伊兵衛はじっと相手の眼を見ながら、
「貴公はまだ山県先生に心服しているか」
「……それは、どういう意味だ」
「どういう意味でも、あらゆる意味に於てだ。いつか雪の夜、講演のあった帰途に話し合ったことがある。今でも貴公はあのときと同じように先生を尊崇しているか」
「むろん、それは、先生の思想は立派なものだ。しかし拙者は今になって思出すが、貴公があのとき大弐どのは斬られるといった。あの言葉はたしかに一理あると思う」
「おれの言葉などはどうでもいい、貴公の本心が知りたいんだ。本当の考えを聞かしてくれ。貴公はもうあのときほど先生に傾倒していないのではないか」
「先生は今でもけっして」
「ちょっと待て、来栖」
伊兵衛は手をあげて遮った。
「おれはこの場かぎりの云い抜けは聞きたくないぞ。貴公は学問がある、機智も豊富だ、伊兵衛などは手もなく云いくるめられると思うかも知れない。しかし、今夜の伊兵衛は少し違うぞ。わずか二十余日のあいだではあるが、おれは世間の嘘実と、人心の表裏とをいろいろと見てきた。