Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

よあけのつじ

夜明けの辻

山本 周五郎

Lisez 夜明けの辻 (よあけのつじ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 801 caractères · 86 écrans

Aozora Bunko

「いやよそう」

伊兵衛は口惜しそうに云った。

「……拙者の意見など貴公にとって三文の値打もないだろう、拙者も貴公を説得したいと思わぬ。ただ今夜これから帰ってよく考えてみてくれ、大弐の得一篇の説は危い。すくなくとも我々武道を第一とする者にはおそろしく危険だ」

「考えろと云うなら考えてみよう。拙者にはそれほどむつかしい説とは思われぬが」

そう云う道之進の眼を、伊兵衛は疑わしげに見戍っていたが、やがてその唇尻にふたたびそっと微笑を刻みながら、

「おい道之進」

と急に明るい声で云った。

「貴公はかなり秀才なくせをして、まるで嘘のように愚鈍なところがあるのを知っているか」

「人の見かたにはいろいろあるよ」

「そう安心していられれば仕合せだ。いい夢を見たまえ」

道之進の傘からとび出して、雪のなかを伊兵衛は大股に駈けて行った。

夜のうちに二尺も積った雪が、朝になってもまださかんに降っていた……起きるとすぐ、裸で井戸端へとび出した伊兵衛は、健康な二十六歳の逞しい体へ、釣瓶からざぶざぶと水を浴びた。まだ早いのであろう、裏庭にある家士長屋も雨戸が閉っているし、いつもすぐとび出して来る飼犬の『もじゃ』