Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans

Aozora Bunko

「アア、煉瓦塀の空家なら、この墓地を突き切った向側に、一軒だけポッツリ建っているアレのことでしょう。真直ぐにお出でなさればじき分りますよ。尤も暗いには暗うございますけれど」

おかみさんが、丁寧に教えてくれた。

相川青年は半信半疑でいた空家が実在のものだと分ると、何かしらハッとして心臓の辺が妙な感じであった。

「その家は長く空いているのですか」

「エエ、もうずっと。私共がここへ引越して来る以前から、草茫々の空家なんですよ。何だか存じませんけど、変な噂が立っている位なのでございますよ」

「変な噂って、化物屋敷とでもいう様な?」

「エエ、まあね。ホホホホホホホ」

おかみさんは言葉を濁して、妙な笑い方をした。

(愈々そうだ。墓地と化物屋敷と人殺しと、なんてまあ巧みにも組合せたことだろう。サア守、お前はシッカリしなけりゃいけないぞ)

彼はこれからの冒険を考えると、何となく恐ろしくもあったけれど、恐ろしければ恐ろしい丈け、彼の猟奇心はこよなき満足を感じた。

煉瓦塀の空家までは、そこから墓地を通りぬけて二丁余りの距離であった。

彼は用心深く、他人が見たら、彼自身が黒い物の怪の様に感じられる事だろうと思いながら、態とその物の怪の歩き方をして、破れた煉瓦塀の前にたどりついた。