Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans
三笠さんはひどい目に遭われたのです。御商売柄敵の多い方ですからね」
敵という言葉に、守はすぐ「赤蠍」を思い浮べた。若しやあいつが、探偵の病床へまで魔手を伸ばしたのではないだろうか。
だが、それを確める間もなく、もう病室であった。事務員はそのドアをソッと開けて、お入りなさいという目くばせをした。
病室というのは、病院の裏手に当る、階下の十畳程の洋間であったが、態と薄暗くした電燈の下に、白いベッドの中から、さも苦しげなうめき声が、不気味に漏れていた。
守が入って行くと、附添いの看護婦が、病人にそれを告げて、ソッと頭の向きを変えてやった。真白なシーツの中から、年取った探偵の白髪白髯の顔が、物憂げにこちらを見た。
その顔を一目見ると、守青年は、ギョッとしないではいられなかった。アア、何という変り方であろう。三笠氏は元々痩せてはいたのだけれど、それが一層ひどく頬骨が出て、顔の皮膚は青いのを通り越してまるで藍色に見え、眼鏡を脱した両眼は、日頃の突き通す様な光が全く消え失せて、トロンと力なく濁り、口は、死人の様に顎が落ちて、下歯がむき出しになり、そこから覗いている黒い舌が、ひからびた様になって、ゼイゼイと喉にからんだ唸り声が漏れているのだ。