Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans
青眼鏡は尾行者に気づいているのかいないのか、振向きもしないでサッサと歩いて行く。
異様に長く感じられたコンクリート塀が、やっと終ると、犯罪者はその塀に添って、ヒョイと暗い横町へ曲ってしまった。
見失ってはならぬと、一層急ぎ足になって、同じ角を曲ったが、一歩その暗闇に踏み入ったかと思うと、守青年はギョクンと立ちすくんでしまった。
青眼鏡の黒い影が、正面を切って、そこに待ち構えていたのだ。
「静かにしろ。でないと……」
男は変に嗄れた声で云って、右手を動かして見せた。ピストルだ。
「相川君」
とその男が呼びかけた。守は余りの意外に、空耳ではないかと疑ったが、決してそうではなかった。
「フフフ……、驚いたか。よく知っているんだよ。さっきは色々御苦労様だったね。だが、つまらない真似はよすがいいぜ。お前なんかの手に合う俺じゃないんだ。サア、帰り給え。向うを向いて、おとなしくあんよをするんだ」
低い圧し殺した声で云いながら、右手のピストルが絶えずチロチロと威嚇する様に動いていた。
相川青年は途方に暮れてしまった。おめおめと悪人の命令に従うのは、余りにみじめだ。と云って、この飛道具を持った命知らずを相手に、何をしようというのだ。