Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans

Aozora Bunko

電燈の丸い光が移動するにつれて、人間の手が、人間の足が、人間の腿が、その切口をドス黒い血潮に染めて、次々と彼女の脅えた眼に。

それから人間の胴体丈けが、大きな風呂敷包のようにグッタリと横わって、その下腹部からは、何というむごたらしさ、小腸が、数百匹の蛇と、もつれ出していた。胸部には、二つのふっくらとした乳房が見える。女だ。この無残な轢死者はまだ若い女なのだ。

最後に、丸い光の中に入って来たのは、髪振り乱した娘の首、青ざめた唇の隅から、紅絲のような血を吐いて、一本の枕木の上に、チョコンと、獄門の形でのっかって、半白の目でじっとこちらを見つめている。

珠子は猿轡の奥で異様な唸り声を立てて、いきなり元来た方へ逃げ帰ろうともがいたが、悪魔は咄嗟に彼女を抱きすくめて、その顔を轢死人の方へねじ向けた。

「お嬢さん、サア、よくごらん。そんなに目をつむってしまっちゃ駄目だ。折角面白いものを見せて上げようと云うのじゃないか。目々を開いて、ホラ、よくごらん。可哀相にあの娘さんも、丁度お嬢さんと同じ位の年恰好だね。オヤ、そう云えば、この死人の顔はお嬢さんにそっくりじゃありませんか。