Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans
という一棟で、松林と竹藪に囲まれ、北がわに迫っている丘の中腹から、筧でひいた水が、台所と縁先とに、絶えず爽やかに溢れていた。
お小屋には、村野市造という、中年者の下役と、小者が三人いた。
もう一棟には、小石川御薬園からまわされて来た、植木職人たち五人が住み、他の一棟には、二頭の馬の世話をする小者と、栽地の力仕事をする人足が五人いた。
もともと此処は、小石川の分園として設けられたもので(やがては全部を移す筈であったが実現しなかった)、半之助は此処の支配であると同時に、薬園奉行所の「見廻り」という役名をも兼ねていた。尤もこれは、定期に小石川へ報告に出頭する責任を持つことであるが、まだじっさいに仕事が始まっていないので、当分はその必要がなかったわけである。
村野市造は四十五六であろう、吹上に御薬園のあった頃から、その仕事をしていたそうで、口かずは少ないが、その方面のことには詳しかった。日にやけた、顔の小さな、猫背の、年よりは老けてみえる人がらで、酒がなにより好物だと云った。
「家内と子供が五人おりますので、こちらへまいると御役料を頂けるのですが、なかなか酒までは手が届きません」