Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans
「大げさなことになったものですねえ、なに様の法事ではあるまいし、ひどいもんだ」
半之助は、ふきげんに眉をしかめた。
「でも谷町でして呉れるものを、断わるわけにもいかないでしょう」
母のしづはさりげなく云った。
「それに、このあとは七回忌ですからね、三年にはどこでもこのくらいのことはしますよ」
「しかしそれだけの意味じゃないんだから」
独り言のように、口の中で呟いて、それからそこを去りながら、低いけれどもきっぱりした調子で云った。
「私は寺から脇へまわります」
母はなんとも云わなかった。
谷町の安倍は、一族の宗家に当るという。宗家などというと、ごたいそうであるが、お徒士から出た八百石の旗本で、当主になってから、うまく柳沢系にとりいって、現在は千二百石の大御番を勤めている。こちらは一族の末席であり、三百石あまりの新御番にすぎない。そのうえ亡父の伊右衛門が、谷町とのつきあいを嫌っていたので、ごく稀にしか往き来がなかった。それが父の死後、向うからにわかに近づいて来た。
半之助が新御番になれたのも、じつは、谷町の奔走のおかげだそうである。亡父もその席にいたが、むろん世襲ではなく、裏からしかるべく運動したり、金品を贈ったりしなければならない。