Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans
こういう客のなかには、小屋から渡り廊下で、山村座の座ぬし、長太夫の住居へいって、そこで役者を相手に、酒宴をする者があり、それがしだいに殖えるばかりなので、数年まえ、河岸ぞいに、二階造りの座敷を建て増した。木内文蔵という狂言作者の妻で、お勝というのが采配役になり、女中も五人ばかり、置くようになった。
半之助の父は芝居が好きで、気にいった狂言だと、ひと興行に五度も七度も通った。座主の長太夫も、父の死ぬまでは、一つ木の家へよく出入りしたものである。
彼が一人で来はじめたのは、一年ばかりまえからであった。それも芝居を見るよりは、酒を飲んだり、ものを喰べたりするほうが主で、友達もつれてゆくし、独りでもしげしげいった。自分の家以外で、当時そんなふうに、くつろいで飲み食いのできるのは、遊里や岡場所を除くと、まず芝居茶屋しかなかったし、そこには、ほかとは違った一種の気分、……華やかさとものかなしさ、活気にわき立っていながら、ふとおそってくるはかないような佗しさ。そういうものがあって、彼にはつよい誘惑であった。
「あらお珍しい」
女中のいそがとびつくような声をあげた。