Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

Lisez 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 135 005 caractères · 262 écrans

Aozora Bunko

払暁の行事としては照明の必要はなく、何か一つの目標になるものを持って行って流せばそれでよかったので、合歓木の小枝をネブタという名の縁から、携えて行った目的もそれかと思うが、燈火の方が実は見た目には美しく、また前の宵から飾っておいて祭を営むにも花々しかったので、紙や絵具や蝋燭が手に入りやすく、また若者の手工が進むと共に追々に此方へ進んで行ったのである。

九州の盆の精霊送りで、最も青森のネブタと近いものは、肥後の山鹿の骨なし燈籠などであろう。これは足利期末の文禄年間に、炬火を燈籠に改めたという古い記録があって、次第に発達して人物宮殿その他いろいろの意匠を争い、いわゆる運行の方法までが、言合わせたほどネブタとよく似ている(土の鈴三号、旅と伝説三巻九号)。しかも他の地方の数多くの精霊舟の中には、人物を主とし食物に重きをおき、白昼全く火を用いぬものも決して稀でない。そうしてすべてに共通しているのは、海に沿うた村では海へ、海なき邑里では川筋へ、送り流すという一事だけである。夏の御霊は海から上って来て、初秋に送られて再び海へ還って行くものと信ぜられていたのである。